2000.9.14/japan vs southafrica日本対南アフリカ戦速報



score jpn2-southafrica1
日本代表の総合評価(10点満点)

   gento RYO-1 fujimura
GK楢崎 6.5 7.0 6.0(無難なセーブ、フィードは正確だった)


DF森岡 6.5 7.0 5.5(カバーリングが良かった)


中澤 5.5 5.5 5.5(マッカーシーに再三突破されるがヘディングは競り勝つ)


中田浩 5.5 5.5 5.5(左サイドを再三突破される、カバーリングもいまいち)


MF稲本 6.0 6.0 6.0(運動量豊富も、いつも程上がっていけず)


明神 6.0 6.0 6.0(ディフェンスへのカバーがいつも程では無かった)


酒井 6.0 6.O 6.0(得意のアーリークロスやサイドチェンジのパスが見られず)


中村 7.0 6.5 6.5(ポジショニングが悪く、敵の攻めを許したが、決定的な場面を数回防いで守備に貢献、フリーキックからアシストも記録。微妙な評価)


中田英 7.0 6.5 6.5(パスミスも多かったが、勝ち越し点を見事に演出、守備にも貢献した。前半固さの出た日本の中で、落ち着いたプレーで日本を引っ張った)


本山 6.0 6.5 6.0(出場時間が短く評価微妙も、本山投入直後に勝ち越し点を入れられた事を評価。まさにスーパーサブ)


FW高原 7.0 7.O 7.0(前半固さが見られ、ポストとしてボールをキープ出来ない場面が目立ったものの、2得点をあげる活躍。本格派ストライカーの本領発揮)


柳沢 6.5 6.5 5.5(前半、固さの見られる日本にあって、堂々としたプレーでキープも突破も出来ていたが、途中から消える場面が多くなった)


監督トルシエ5.0 6.0 6.0(勝ったからいいものの、明かに本山を投入したワントップの方がバランスが良く攻めても多彩なのにも関わらず、選手交代のタイミングが遅すぎる、中村俊介が下がりすぎでバランスが悪いのも変えられず、しかも交代は一人だけ、何のために壮行試合であれ程沢山のシステムが機能することを確かめたのか解らない不可解な采配。もしかして現場監督の才能が無いのかもと疑った。あるいは相手が南アフリカだから特別な気持ちが働いて我を忘れたのか?)


解説  5.5 5.5 5.0(無難な解説だった)
アナウンサー5.5 5.0 3.0(うるさい)
カメラ 5.0 5.5 5.0(リプレイのかぶせ方がちょっと気になった)
審判 6.0 5.5(怪しい判定は無かったように思う)


ゲーム解説
オリンピック初戦の緊張感からか、絶対勝たなくてはならないプレッシャーからか、いつになく固い立ち上がりで、ボールが足に付かないという感があったが、その中で中田英と柳沢だけは自信に満ちたプレーを見せていた。

予想通り、南アフリカは個人の能力が高く、特にフォワードのマッカーシーには再三突破を許し、何度か決定的なピンチを招いた。
やはり、身体能力の高いアフリカの選手は苦手なのかディフェンスの選手がズルズルと下がり、つられて左サイドの中村も下がらざるを得ず、日本の得意の攻撃パターンが影をひそめた。
それでも柳沢や中田英の活躍で何度か決定的な場面をつくり、フォワードと中田だけの攻撃でもある程度やれることは示した。

南アフリカの先制点はしょうがない、あれは相手が上だった。特にマッカーシーはすごい選手で、今大会の指折りのフォワードだろう。

日本の得点は得意のセットプレーからで、中村がいる限り、1試合1得点はセットプレーで得点できるのではないかと思う程、日本のセットプレーは素晴らしい。

1対1で前半を終えるのは予定通りという感じで、何の心配もしていなかった。
というのも、壮行試合を見る限り、本山を左サイドに入れて、ワントップにし、中村と中田英を真ん中に置いた布陣の方がはるかに攻め手が豊富でバランスもとれていたからだ。

ロスタイムに追いついて、ムードが良くなっていたからか、トルシエは前半のままの布陣で後半も戦った。
確かに、前半よりも攻めの内容は良くなってきていたが、それは選手の固さがとれた為のように思えた。
後半最初の南アフリカの猛攻を防いだ後、南アフリカの攻めがそれ程驚異でなくなったのはフォワードのマッカーシーが疲れた為だということはわかった。
そして彼に変わるようなスーパーなフォワードが投入されることは無かった。

でもトルシエは動かなかった。
誰もが新しい活力の導入を望んでいるように思えた。
段々日本は良い流れを失っていった。
一昔前の日本代表だったら、ここで点を取られて敗れていただろうと思う。
でも今のオリンピック代表は違っていた。

後半の30分過ぎ、ようやく本山を投入して最強の布陣になった日本は、あっという間に中田英のスルーパスを受けた高原が落ち着いてゴールを決めて逆転することに成功した。
まるで、ユーロ2000の時のイタリア代表に、後半デルピエロが入った時のように、本山が入った瞬間、チーム全体の攻めの意識が変化していた。

この時、左サイドには中村が、右には本山が走っていて、ディフェンスを混乱させていた。
中田英のスルーパスはあきれる程完璧であったし、高原も文句のつけようのないゴールの仕方だった。
このチームに決定力不足という言葉程似合わないものは無いような気がする。
オリンピック予選を通じて日本は最多の66ゴール(12試合)をあげていて、2位のイタリアは26ゴール(11試合)である。それでも決定力不足というのか?

この最強布陣の日本で負ける気は全くしない。
問題はなんで最強メンバーが後半の30分過ぎまで使われないのか?ということなんだけど、いくらなんでも遅すぎないか?
おかげで勝てるかどうかドキドキした。

でももっと早くこの布陣にしてたら3対1くらいで楽勝だったような気がしてならない。でも一番南アフリカについて詳しいはずのトルシエが動かなかったところを見ると、南アフリカにはスゴイ隠し玉がいて、どのような手をうってくるか様子をみている内にズルズル時間が過ぎていってしまったのかなという気がしないでもない。結局隠し玉は出てこなかったけれど。

1点差を守りきるような展開の時にはフレッシュで動きまわって、やる気のある平瀬のような選手を必ず投入してほしい、そうするともっと楽に守れるようになるから。
頼むよトルシエ。

問題は南アフリカが予想通りというか予想以上に強かったことで、これはひょっとしてブラジルは南アフリカに負ける可能性もあるということで、そうなるとアトランタの時と一緒で2勝1敗でも得失点差で決勝トーナメントに進めない可能性を意味する。
やはり、出来れば3対1で勝ちたかったねー、後で泣きをみなきゃいいけど。
次のスロバキア戦は是非とも4対0で勝ちましょう。

2000/9.14

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