DUTCH DESIGN/ダッチデザインとコンセプト


90年代、間違いなくデザインの世界を引っ張っていて、毎回あっとオドロクようなコンセプトや、斬新な発想、それでいてシンプルで、世界中どこでも誰でも使いやすい、そんなデザインやコンテンポラリーアートを創り上げてきたオランダのデザイン。


グローバルスタンダードにもなりうる、彼らの優れたデザインは、パッと見てわかりやすく、しかも美しい。


その秘密は、市民社会がレンブラントやフェルメールのような、圧倒的に優れた絵画を産み出し、それを文化的基盤に出来たことや、複数の民族、言語を持つ大国に囲まれた小国故に、周りとうまくやらねばならず、視覚的にも、感覚的にもわかりやすくなければならない必然性を産んだこと、プロテスタント的なコンセプト重視の姿勢が、革新を常に望んだことにあるようです。


この国のコンセプトは、合理的、自由、革新、グローバルスタンダード、色彩と秩序、といった所にありそうです。

とにかくこの国の人はパン屋のおばちゃんにいたるまで、誰でも英語が話せ、しかも多くの人は3カ国語が話せる。
エコロジーのために自転車に乗る、国中にビニール袋が無い。
ドラッグもOK。
公衆電話は世界一カッコイイ。言葉が分からなくても道に迷わない。
ただし、食事はパンと乳製品位しかうまくないけど。

ともかく、このような国がモンドリアンやデステイルを産み出し、モダンデザインを産み出し、アヤックス(サッカー)も、KLM(飛行機)も、ミッフィー(うさこ)も、いまだに世界の最先端だ。
着てみると、持ってみると、もっとわかるはず、ダッチデザイン。

追記

90年代後半、オランダのファッションデザイナーがおもしろかった。

それは、彼等が本気でファッションに革新をもたらそうとしたからだと思う。

サスキアヴァンドリムレンやニルスクラファースなど、本当にスゴイと思うデザインがあった。

その後の停滞は、革新的なコンセプト故の行き詰まりのためだと思う。

人間が、そんなに革新的なコンセプトをいつまでも何回でも産み出せるわけがなかったのだと思う。

今、世界的に高い評価を受けているのはヴィクターアンドロルフくらいになってしまったオランダ勢だけれど、またいつかやってくれることを期待したい。

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