COSTUME NATIONAL/ コスチュームナショナル
コスチュームナショナルの服はモードと言うよりアートといった方がしっくりくる。
立体的で構築的に作られたフォルム。深い精神性を感じさせる素材と色。
南イタリア レッチェ出身の若きクリエーター、エンニョカパサはヨウジヤマモトのアシスタントを経て独立。以来10年余り、ビッグビジネスでは無いけれど、着実にファンを増やしている。
彼の作る衣服はとてつもなくカッコいいけれど、恐らくアルマーニやプラダのようなビッグブランドに育つことは無いだろう。それというのも、彼の服はフォルムやシルエットにこだわるあまり、着れる人がかなり限られてしまうからだ。
だから一流ブランドの常顧客である、体型の崩れてしまった金持ち達を顧客に抱えることが出来ない。
でも、彼はそれでいいと思っているのだろう。
そうして、毎シーズン、様々な素材やコンセプトに合わせてミリ単位の調整を服に施す。彼の作る服のフォルムはオドロクほど変わっていない。それというのも彼にとって本当に美しい形はすでに実在しているものだからだ。
そんな服作りをしているから、彼の顧客はアーティストが多い。
トムクルーズ、U2, レニークラヴィッツ、ミスターチルドレン、小林武など、一筋縄ではいかないこだわったアーティストの名前が顧客リストに上がる。
彼のクリエイトに近いやりかたをしているデザイナーにフェラーリを担当している、ピニンファリーナが挙げられるだろう。
ピニンの手掛けるフェラーリもまたフェラーリでなければならない形をしている、同様にコスチュームの服もまたコスチュームでなければならない形をしているのだ。