phase translation/相転移



水って不思議だ。
水が摂氏0度で固体になり、100度で気体になることは誰でも知っているよね。
でもなんでそうなるかは誰も知らない(もし知っている人がいたら教えてください)
そうなるようになっているとしか言えない。

(固体というのは分子が一定の間隔を保っている状態で、温度が上がると分子の動きが加速され、気体になると分子の動きは完全に自由になるらしい)

水は徐々に(0度に向けて)冷えていくにつれて段々と固体に変わっていくわけではない。
0度以下になると突然固体に変化してしまうのだ。
このような現象を物理学では相転移というのだけど(相が転じて別の状態に移る)
もしこれが水とかだけではなく色々な場面で起こるとしたら、けっこうすごい仮説が色々考えつく。

例えば人間に相転移が起きるとしたらどうだろう。
人間は細胞が集まって出来ている。
細かく分ければ細胞だけれど全体としては、やっぱり人間だ。
だとすれば、人間を細胞に見立てた場合の全体もあるのだろうか?

当然あるだろうと言うと、人はおかしな顔をするのかもしれない。

しかし、自分達個人がそういったヒエラルキーの頂点に常にいると考えるのは、やはり相当無理がある。
普段僕等は、なんとか自己を保ってやっているように見える。
それだって、相当の部分、自己ではない部分の統制をうけている。
人間が環境の中で生きる以上、それは絶対に避けられない。
でも、それだけではなく、もっと全体的なものが 起きる ことがあるみたいに思えるのは気のせいなのだろうか?

コンサートやサッカーの熱狂の中で、その全体的なものは姿を垣間見せる。
あるいは戦争や宗教的熱狂の中で、それは姿をあらわす。
我々の肉体的なものの何か、あるいは精神的なもの、システム的なものの何かが、ある一定の値を越えると、僕等は、別の相へ相転移してしまうのかもしれない。
それはとてつもなく幸福な体験であり、同時にとてつもなく危険な体験でもあるのだ。
それは避けることができるし、避けることができない。

IDEA