J.S.BACH/GOLDBERG VARIATIONS バッハ/ゴルドベルグ変奏曲



バッハ はまってます。
今年はバッハ没後250年とかで、あちこちでバッハを耳にする機会が多く、今さらなのですが、この人、なんでこんなに凄いのだろう?と思う今日この頃です。

その中でも特に、このゴルドベルグ変奏曲。
これは凄すぎます。
なんというのですか、宇宙的秩序みたいなものすら感じるのはワタクシだけでしょうか?
これだけ快活で楽しく、しかも奥が深い作品が他にあるでしょうか?

そんなわけで、このゴルドベルグがなければ、昼も夜も、なんだか物足りないと思うようになってきてしまい、CDを買おうと思った(それまでは借り物で済ませていた)のですが、どの演奏者にするべきか、なかなか決まらない。
とりあえず、グレングールドの初期版、アンドレイガブリーロフ、アンドリューシュシフ、の3人に絞ったのだけれど、どれも全然演奏が違っていて、しかもどれも素晴らしい。


一曲目のアリアの部分は、なんといってもグールドが断然良くて、このバッハの中でも最高傑作の一つとも思えるこの部分はなんとしても欲しい。
グールドのバッハは、なんというか哲学とか秩序とかが似合う、押さえられた音、でも、特別に響き合う音と音、それに、間が特別に良い。まるで、音と音の間に宇宙があるみたいだ。


二曲目の第一変奏は、ガブリーロフに軍配があがる。
めくるめく変奏、叙情的で滝が流れ落ちるがごとき、音の濁流となって心と身体に響く名演奏。
ガブリーロフは後半部分も良い、ハイスピード部分はとてつもなく凄い。


第五変奏あたりまでいくと、シュシフの軽やかで和音の美しい構築的な奏法が際だってくる。
音と音の反響、主旋律とベースラインのせめぎ合い、重なり合う音と音の微妙なすれ違い、ハーモニー。
毎朝、洗顔の替わりにバッハを弾くというシュシフの、どこまでも奥深いバッハ解釈が感じられて、それは最後まで続く。


で、迷いに迷った末に、アンドリューシュシフを買いました。
しかーし、やっぱりグールドとガブリーロフも欲しい!というわけで、近日中にワタクシのゴルドベルグは3枚になっているであろう。

追記 グレングールド買いました!!

2001 text by gento.m.a.t

再追記

その後はグールドの初期版がもっともヘヴィーローテーションになる。

やはり、このアルバムが世界で最も優れたアルバムの一つなのではないか??というワタクシの思いは深まるばかりである。

グールドの後期版も、テンポが遅すぎて眠くなるけれど、第20変奏あたりまでいくと、これはなかなかスゴイな進歩したな!!と思う。

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