feedback/ネガティブフィードバックループ、ポジティブフィードバックループ



マイクを持った時にキーンというスゴイ音がして耳を覆った経験はないだろうか?
あの現象がいわゆるフィードバックである。
なぜあのような耳をつんざくすさまじい音がするのかというと、始めはマイクがひろったごく小さな雑音が、マイクを伝わってアンプによって増幅され、さらにその音がスピーカーから流れてきて、その大きくなった音を再びマイクがひろって... ということを延々と繰り返している内に絶望的に音が大きくなってしまうものだ。

これが、いわゆるポジティブフィードバックである。

あるいは数学の問題。
例えば給料を201245円もらうのと201246円もらうのだったら、別にどっちだっていいよね、1円しか違わないんだから。
でもたとえ1円違いでも基本給が1円と2円で、しかも毎日それが倍倍になっていくとしたら、5日後には片方が1円で、もう片方は4294967296円、約43億円になっている。全然どうでもいい差ではないよね。
こうなっちゃうグループを初期値の違いに著しく影響を受ける系と呼んでいるらしいのだけれど、こういう仕組みって、考えてみるとかなりいっぱいある。

そもそも、この世界の成り立ち自体がそういうものである可能性はかなり高い。
つまり、宇宙誕生の有力な仮説である、ビッグバン、インフレーション宇宙というのはまさにこの仕組みである。
それくらいのものだから、日常的な仕組みにおいて、この初期値の違いに著しく影響される系というのは日常茶飯なのだろう。

なんでこうなっちゃうのかわからないような不条理なことって、大抵この仕組みで起きているような気がする。
例えば、大した事を言ったはずないのに相手がメチャメチャ怒ってるっていうことありますよね、こっちには原因が全く解らない。
こういう時って、知らず知らずに相手を傷つけてたということも、もちろんあるのだけれど、相手が本当に些細なことをフィードバックしていって、巨大な誤解に発展しているということも、やっぱりよくある。
被害妄想とか、ストーカーとかみんなこの仕組みだ。

でもネガティブなことばかりじゃなく、先に言ったように世界の成り立ちそのものがそういった仕組みであるかもしれないほど、ポジティブな面もあるから話はややこしい。

一方でネガティブフィードバックというものがある。

これは、例えばミサイルの発車装置のように、相手との距離をフィードバックしながら修正して誤差を少なくしていくような仕組みのことをいう。

この仕組みは安全装置として働くために、あらゆるものに応用が可能で、しかも実際に使われているし、とても重要な仕組みだ。

きっと、人と人が長くつきあったり、分かり合ったりするのもこの仕組みがあればこそだと思う。

けれども、実際には、世界を創り上げるようなポジティブフィードバックのようなものがあるから、世界は存在しているし、また、「とんでもなく凄いこと」が産まれるわけで、この、ポジティブとネガティブを使いわける、使いこなすことが一番大事なことなのではないか?と思ったりしています。

難しそー!!だけどね。

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