CONFEDERATIONS CUP 2001
FINALE/ JAPAN VS FRANCE


いよいよこの時がやってきた。
FIFA主催の世界タイトルが目の前にある。
しかも、相手は世界王者フランス!!
いったい、どこまでやれるのか?
この目で確認する時が来た。

結論から言おう。
日本は善戦はしたが完敗だった。
実力の差はあまりにもあきらかだった。

例によって先発メンバーから
GK 川口
DF 松田 森岡 中田浩
MF 波戸 伊東 戸田 稲本 小野 森島
DF 西澤

中田英と鈴木がいないため、トルシエはかなり悩んだ様子。
結果として、スペイン戦の時ほどではないけど守備的な布陣になった。

横浜のスタジアムの上には真っ黒な雨雲が...
しかし、試合が始まると同時に今日は雨が止んだ。

立ち上がり、フランスの怒濤の攻めを予想していたけれど、予想外に試合の主導権を握ったのは日本だった。
今日の小野伸二は、試合の前から非常に良い顔をしていて、何かやってくれそうな予感があった。
その小野が個人技でボールをキープ、突破、そして走り込んだ森島へ絶妙のスルーパス!!
しかし、森島は合わせきれなかった。
結果的に、日本にとっては、ほとんど唯一の決定的な場面だったように思う。

序序に押され始める日本。

前線にいる西澤は、川口からのフィードをほとんどキープ出来ない。
ディフェンスにボールがある時に、前でフリーになれている選手が一人もいない。
フランスのプレッシャーは異常に早い。
日本はパスを出せる場所がないから、フランスの選手のプレッシャーを背負った選手にあてて、再びバックパスするのが精一杯。
パスコースを限定されて、追い込まれてパスカットされ攻撃される。

日本のパスコースは完全に読まれている。
名波や俊輔のようにアクセントをつけられる選手がいないから、パスコースがわかりやすすぎる。
どうにかしなきゃと思っている稲本がはやくもあっぷあっぷだ。

そんな中でも、日本の右サイドの波戸と松田は目に付いた。
波戸はとにかく足が速くて相手のサイド攻撃を止めていたし、右サイドからの突破をはかっていた。
松田は身体をはったディフェンスでフランスの攻撃を必死にくい止める。
そして川口のファインセーブ。
日本の攻撃で唯一通用しているのは小野伸二だけ。
ハッサン2世杯の時にあれだけ威力を発揮した森島と西澤のコンビも、全く通用していない。
森島がドリブルでつっかけていって、いい位置でフリーキックを得られれば、小野で1点と思っていたのだが、森島のドリブルはあっけなくディフェンスにとられていた。

普段のパススピードでは全然通用しない。
いつもJリーグで通っているパスが、ことごとくカットされている。
読みも速いし、スピードも速いフランスのディフェンス。

と、現地で見ていて思ったのだけれど、VTRで見直してみたら、意外と日本が善戦してるような感じがするんだよね、何でだろう??

特に、ワタクシはゴール裏の最前列で見ていたから、フランス代表の世界最強のディフェンダー達を間近で見てた為でしょうか?

日本得意のセットプレー、コーナーキックもフランスディフェンダーのあまりの高さと強さに恐れをなした為かショートコーナーとかにして、結局それも潰されてた。
為すすべの無い試合展開。

得点は後方から走り込んできたヴィエラの驚異的に高いヘディングから産まれた。
なんなんだあの高さと早さ!!
速くて、高くて、強くて、上手くて、賢い。
ま、負けてる。
トルシエが宇宙人と呼んだのも、韓国の選手が今までやってきた中で一番強いといったのも、頷けた。
その中でも特に目に付いたのが、ディフェンダーのデサイーとリザラズ。そしてヴィエラとアネルカ。

日本は前半の3ボランチみたいな布陣は確かに機能していなかった(稲本があっぷあっぷに見えたのも、彼の役割やスペースが微妙に消されている為だったように思う)

前半は1対0で終える。
よくがんばった結果の1対0だと思う。

後半、稲本に替えて三浦淳を入れて小野をトップ下にした。
最初の内、三浦の左サイドの突破からチャンスを作ったけれど、フランスの選手交代によって直ぐに修正されてしまう。
的確な選手交代。
明らかに相手が一枚上だった。

その後、小野に替えて久保を投入。
技術的に唯一フランスを上回っていた小野がいなくなって、はっきりいって点が入る気がしなくなった。
やっぱりこのメンバーでフランス相手では無理なんだろうなと思った。
怪我人やら出場停止で交代要員が少なすぎた。
それでも、中山隊長が入った時は盛り上がったけれど、日本に余力は残っていなかった。
川口がボールを持った時にフリーになるべくダッシュしてる選手が一人もいないのだ。
疲れてるのだろうけど、だけど後半から入った三浦淳なんかはどうだ?本当に動けない程疲れているのか?
だから攻撃の基点が作れない。それで負けているのに後ろでボールを廻すだけになってしまうのだ。
勝つ気あるのか?

フランスはゲームを完全にコントロールしていた。
連戦の疲労でペースダウンしたいのは明かで、日本はそれにつきあわされてしまっていた。
実力の劣る日本がこの試合に勝てるとしたら、唯一相手のペースを崩して体力を奪うことだったはずだ。
しかし、より消耗していたのは日本の方だった。
そのまま試合は終わった。

完敗。
仮に日本が一点取り返していたとしても、そうしたらフランスはペースを上げてもう一点取っていただろうと思う。
完全にコントロールされた1対0だった。

いったいどうすれば、この無敵のフランス代表に勝つことが出来るのだろう?
もしかすると、このフランス代表チームは、サッカーの歴史の中で最強のチームなのかもしれない。
その強さはユーロ2000の時にも書いたけれど、白人と黒人がうまく長所を活かした、共通の理解と戦略とインテリジェンスとテクニックを持ったチームと組織作りにある。
それはまるでバスケットにおけるアメリカのドリームチームみたいに強かった。
このフランスを正攻法でうち負かすことの出来るのは、本当のところ、サッカーに本気になった時のアメリカ位のものかもしれない。

しかし、それでも、今フランスに勝つ確率が20回に一回位だとして、それを3回に一回位の確率にすることは不可能では無い。
今後の試合を通じてそれを考えてゆきたい。

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