ジーコジャパン発進


いよいよ日本サッカーは2006年のワールドカップに向けて走り始めた。

ジャマイカ戦は2日間の練習期間しかなく、連携不足が心配されてオールスターサッカーみたいになってしまったのは否めないのだけど、可能性や方向性はちょっとだけ見えたのではないだろうか?

つい先日ジーコの著書を読んでみたのだけれど、彼の特徴は勝者のメンタリティーを持ったチャンピオンチームを創り上げることにあるみたいだ。
目標はあくまでも世界チャンピオンで有り続けること。

そういうジーコが日本代表の監督に就任したということは、日本を世界チャンピオンに育て上げる可能性を感じているということに他ならない。

2006年に世界チャンピオンを目指す当ホームページとしては応援のしがいのあるものといえる。

自分としては2002年もワールドカップ優勝できる(なんといっても地元の利がある)という願望を持っていたのだが、残念ながらトルシエ監督を含め大多数の人はそうは思っていなかったようだ。

新生日本代表の構成について今のところ異論はない。
川渕キャプテンとジーコ監督と山本コーチというのは、日本のサッカーをここまで育てあげた最大の功労者3人といって良いと思う。

おそらく近年の最強世代であろう現代表チームを率いるのにこれ以上の存在は見あたらない。

ただ一言言っておきたいのだが、今回ブラジルが優勝したわけだけど、それは梅雨時の極東アジアで行われたために組織力よりも個人技で体力の消耗を避けるブラジルが有利だったということがとても大きい要因だったと思う。

事実、南米やアメリカ大陸で行われた全てのワールドカップでは南米のチームが優勝しているし、ヨーロッパで行われたワールドカップでは全てヨーロッパのチームが優勝している。

次のワールドカップは夏でも冷涼なドイツで行われる大会だ。
冷静に考えてヨーロッパのチームが活躍するのだと思う。

問題は我々のチームが南米でもヨーロッパでもなく日本のチームだということで、その気候に合わせた我々の求めるサッカーが出来ればチャンスが拡がるはずだということだ。
そのことを忘れないでほしい。

僕は基本的に個人が輝くサッカーが見たい。
けれども個人は組織の為に働き、ある時は影となり日向となり勝利へと努力する。
美しいプレーは大好きだけれど、同時に熱いハートが見たい。

僕等はアルマトイでの岡野のゴールデンゴールに心の底から感動した。

今回日本代表はワールドカップ初の勝利をもぎとったのだが、その時よりもあのアジア最終予選の時の感動の方があきらかに上だったと思う。

それはきっと後が無い状況で選手達が見せる本当のがんばりに対して感動したのではないかと思う。

今回のワールドカップがどこか消化不良だったのは、後が無い状況にも関わらず危機感や心底のファイトが見られなかったような気がしたからだと思う。

...と、いうことは我々が心底感動するには、後が無い決勝トーナメントの階段を必死で登っていく姿を見ること以外に無いのだと思う。
そしてそれが出来るだけのメンバーがようやく揃ってきたのだと思う。
悔いが残らないようにこの4年間応援していきたい。

アルゼンチン戦は、アルゼンチンの目を疑う程の豪華メンバーに対して飛車角抜き(小野、中田、稲本、名波)で挑まなくてはならなくなって大変なことになったと思った。

アルゼンチンの先発はクレスポ、オルテガ、クラウディオロペスの3トップに、ヴェロン、アルメイダ、サネッティー、ソリン...と、どこをどうやって止めていいのかわからないようなメンバーで、控えにもサビオラにキリゴンザレス...(笑)これでバティーもシメオネもアイマールもリケルメも抜きなんだもんな!!どうしろっていうんだろう??

それでも前半は互角に戦ったと思う。
これは一つにはアルゼンチンの選手が時差ぼけ アンド ジェットラグで前半の動きがあまりよくなかった為だと思う。(去年のイタリア代表の前半がそうだったように...)
見てると30分くらい激しく動くと普通に動けるようになるみたいだ。

そしてもう一つの理由は、日本はダブルボランチに中田浩と福西を置いていたため守備が安定し、センターバックの秋田、松田共々高さで負けることも無く、コーナーキックでもいつものように冷や冷やすることもなく安心して見ていられた。
両サイドバックも足の速い二人、中西と名良橋なのでスピード負けすることも無くて、サイドに張ったフォワードの鈴木のキープ力も含めてオルテガやCロペスをうまく封じ込めることが出来たと思う。

攻撃でも何回か惜しい場面を作りバランス自体は良かったと思う。
しかし、やはり飛車角抜きのこのメンバーでは、核になる中心選手がいないという印象は拭えなかった。
中村も小笠原も影で活躍するタイプだと思う。
小野か中田英のような核になるタイプじゃないと思った。

そしてこの日のパスミスが目立ったのは、本来一番上手いはずの中村と中田浩で、この二人にパスの精度が無いとかなり厳しいことになる。

鈴木と名良橋は水を得た魚のように良くやっていた。

...とまあ、前半までは。

結果的にいうとアルゼンチンが調子に乗り切れない前半までに点を決められなかったことで勝負は終わってしまった気がする。

日本は前半の出来でやれると勘違いしてしまったのかもしれない。

ほぼベストメンバーを組んでいる世界最強のアルゼンチンと、飛車角抜きの上チームを組んで4日くらいしか練習していない日本とは実力差が歴然としていた。
後半開始とともに、あっという間に2点を失い、その後は楽にゲームを支配されてしまった。

集中力が切れたということも、もちろんあるが、ちょっとちょんちょんにやられたという部分もあったかな?
調子の良いヴェロンをフリーにしてしまった上に、サイドもケア出来ず、その上2列目からの飛び出しもケア出来なかったから。

2点取ってからのアルゼンチンは明かに余裕だった...

ま、ワールドカップの時と同じ監督同じシステムで戦っているアルゼンチンと、事実上5日しか練習してない日本代表に力の差があるのは明かなのでしょうがないとは思う。

今は個々の力や経験を積んでいくことが先だと思う。
...とはいえ、来年のコンフェデレーションカップはアジアチャンピオンとして、前回の準優勝国として結果を残してほしいと思っています。

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