日本対ポーランド

GK川口
DF中田浩、松田、宮本
MF小野、中田英、戸田、稲本、市川
FW高原、鈴木


最近売り出し中の快速フォワード、オリサデベを擁するヨーロッパの中堅国、ポーランド。
アウェーということもあり、厳しい戦いが予想された。

ところが、ふたを開けてみると...このポーランド、あまり強くない。


なるほど、速攻のパス回しは速いし、噂のオリサデベの突破は見事であったが、ディフェンスの押し上げが足りないのか、中盤のプレッシャーが弱く、中田英を自由にさせてしまった。
こうなると、中田英の独壇場。
彼の能力が100%生きる展開になった。

特に右サイドの市川とのコンビで再三のチャンスを演出。
市川からのクロスボールのこぼれ球を中田がシュート!!
ディフェンスの股間を抜けた、低くて速いボールはネットへ突き刺さった。


その後も、中田英のレーザービームのような正確なコーナーキックから小野が頭で合わせ、シュート!!惜しくもキーパーのファインセーブにあったが、その後も小野や市川とのコンビでチャンスをつくる。
今日の中田英は相手へのチェックも厳しい。

さらに、前半40分には、中田英からまたまた市川への絶妙なパス!!走り込んで受けた市川から高原へ完璧なセンタリングがあがる。
高原は、これを空振りしたものの、こぼれ球を反転してシュート!!ボールはゴールへ見事に吸い込まれたのだった。

その後、中田がゴールキーパーと1対1という場面があったが、中田はコントロールミス、得点にはならなかったが、早くも、前半で2対0と勝ち越したのだった。


アウェーということもあり、勝ちを意識した本番モードの戦い方を意識した日本は、後半稲本から福西、市川から波戸、高原から久保という、地味な選手交代を施し、そのまま逃げ切った。

終わってみると、強い印象を受けた日本代表だったが、もう少し冷静に分析してみよう。


まず、ゴールキーパーの川口は、ポーツマスでの出番がほとんど無かったにも関わらず、全く不安の無いセービングを見せた。


ディフェンスの三人は、1対1で簡単に突破されたり、イージーなパスミスがあったりはしたものの、基本的な対応はきっちり出来ていたのではないかと思う。

特に、松田のカバーリングやボールを外に出していったんゲームを切る判断などはとても良かったと思う。

宮本は、ラインコントロールは良かったが、フィジカルで物足りなさは残った。
ベルギーとかが相手だったら?心配は残る。

中田浩は、まずまず。中田浩らしい逆サイドのフォワードへのロングパスなどは見られなかったが、これはフォワードの能力のせいもあるだろう。


超激戦区のミッドフィールドだけれど、基本的には今日のメンバーがレギュラー組と考えてよいだろう。

左サイドの小野は、今日はオリサデベのケアや右サイドに市川が入ったこと、中田英がいたこと、ピッチが悪かったこと等を考慮して、守りを中心に考えてプレーしていたようだった。
なんか、名波を見ているようだった。
それなりに良くやっていたのだが、森島や柳沢などスペースへ飛び出すタイプの選手がいた方が彼の攻撃力はもっと生きると思う。
とはいえ、今日の戦い方では、ああなるのは必然という感じで、合格点。

中田英は最高のプレーを見せたが、これは中盤のプレスが緩く間延びしていた為で、本番はこうはいかないだろう。
恐らく本番では中盤はもっとがつがつこられると思うので、そうなった時には、また別の判断が必要になってくるだろう。
とはいえ、こういう展開だと市川とのコンビがバツグンであることが最大の発見だったのではないだろうか?
中田英は、市川、森島、本山、柳沢、三都主などと組み合わせると、より能力が引き出されるのではないかと思う。

稲本は試合勘が戻っていず、うまく連携がとれていないと感じた。
アーセナルはピレスが怪我をしたので、出場の機会が増えるかもしれない。
本番までに調子をあげてほしい。

代表のレギュラーに定着した戸田だが、この日も安定したプレーを見せた。
攻撃面では中田英に簡単に預けすぎなのでは?という場面も見受けられたが、(本番ではそのパスが狙いうちにされる危険があると思う)ディフェンスやバランスを考えると彼の存在は大きい。
恐らく本番も、戸田と誰を組み合わせるか?という選択になるのではないかと思う。

戸田と稲本か?戸田と名波か?戸田と小野という組み合わせもおもしろいと思う。

福西は、恐らく戸田のバックアップ要因で、さすがに戸田と組み合わせると展開力に?がついてしまう。彼を使うならやはり名波のようなタイプと組み合わせたい。

最近の一番の収穫は右サイドの市川だ。
彼が清水で去年ものすごく活躍していた時に、なんで彼を代表に呼ばないのか疑問に思っていたが、去年はディフェンスの構築を急いでいたことと、市川の成長を待っていたのだろう。
恐らく彼の課題はディフェンス面で、今の代表の3バックからすると、足りない面があると思う。
もし、彼を右サイドで使うなら、フラット3の右サイドを足の速い選手にやらせないと、ちょっと怖い面が出てくると思う。

ただ、彼の縦への突破と正確なセンタリングは強力な武器となるのは間違いない。

対戦相手によって波戸と市川を使い分けることで選択の幅が広くなると思う。
恐らく相手が強ければ強い程、波戸を使うことになるのだろうと思う。
(相変わらず波戸のバックアップが誰もいないのが気になるけど...)


フォワードの二人にはやはりキープ力という課題が残ったように思う。
まあ、今回は中田英と小野の位置でプレッシャーがかからなかったので、彼等がキープ出来たので問題はあまりなかったのだけど、本番のプレッシャーのかかる場面では、中盤はもっと厳しくなって、フォワードのキープ力の無さが浮き彫りになってしまうのではないか?と思った。

鈴木はディフェンス面ではよくがんばったと思う。
日本のフォワードはディフェンス面での要求が高いので攻撃の面で物足りなさが残ってしまうのはやむを得ないと思う。
ただ、やはり、もっと積極的に勝負しなければならない場面が多かったのではないか?という気もする。
今日の鈴木は、なんだか柳沢のようだった。
ただし、柳沢の方がもっとうまい。

高原は決定機をきちんとものにしたということが、最大の評価の対象になる。
正直言って、他の場面ではあまり目立たなかったが...

久保を代表で見る必要はもう無いのではないか?
代表の試合で一度も良いと思った事がない。

柳沢、西澤、高原、鈴木、そしてスーパーサブとしての中山。
この5人、あるいは一人落ちて4人というのが、現状の考えられる人選だろう。

フォワードを増やすよりも、本山や森島のような、フォワードの出来るミッドフィールドの選手を多くメンバーに入れたい。

俊輔や名波や三都主も、代表に残れるとは限らないのだ。

今日の試合はコンフェデのカメルーン戦に近い感じがした。
このような戦い方になる時が、本番で1回くらいあるのではないだろうか?
そう考えると、良い試合が出来たのではないだろうか?

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